masudako 研究室 おぼえがき

大学教員としてのおぼえがきです。うちわむけの情報や表現がまじるかもしれません。

辞書をつかおう。しかし、どうやって?

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かつて、学生は、小学生から大学生までのあいだに、辞書をひく習慣をつけさせられた。日本語を読んでいて知らない単語がでてきたら、国語辞典や漢和辞典をひく。英語をよむときには英和辞典や英英辞典をひく。文章をかくためにことばをえらぶときも、辞書をたよりにすることがある。

ちかごろ、辞書をひく習慣のない人がふえてしまった。じつは、わたしも、辞書をひくことがすくなくなってしまい、これではまずいとおもっているところだ。

インターネットにつながっていれば、ウェブ上に無料の辞書らしいものがあるので、それですませる人がおおくなっているだろう。しかし、無料の辞書はたいてい、だれがどのような方針で編集されたものかがしめされておらず、用語づかいの模範としてはすすめられないことがおおいのだ。たまに、有料で売られている辞書と同じ情報が無料でアクセス可能になっているサービスがあるが、そのサービスを維持する費用を広告からえているところでは、辞書をひくたびにまず広告が表示されて待たされるようになったところもある。

さいわいなことに、わが大学の図書館が、辞書のデータベースをいくつか契約している。図書館のウェブサイトの「調べる・探す」から「データベース」のなかの「辞典・統計を調べる」をひらいてみていくと、「JapanKnowledge Lib(ジャパンナレッジLib) 」と「研究社Online Dictionary(KOD)」があり、収録されている辞書の名まえがかいてある。わたしはまだつかっていないが、たぶん便利だとおもう。ただし、アクセスは大学のネットワークに接続しているときにかぎられるし、同時実行可能な人数にかぎりがある。

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自分への投資だとおもって、いくらかはおかねをだして辞書を買うことを勧めたい。

しかし、紙の本は (辞書はなるべく薄い紙をつかっているはずだが、それでも) かさばるので、もちあるきたくないのももっともだ。

辞書の全部ではないが、需要のおおいものは、いわゆる電子辞書の形でつかえるものがある。

ただし、一般の本の電子版と同様な形で辞書を売っていることはすくない。独立した電子機器としての電子辞書もあるが、10年ほどまえにくらべて製品がすくなくなってしまった。また、2000年ごろには、EPWING というデータ規格でつくられた CD-ROM や、それを小型にした「電子ブック」というものが売られていて、そのディスクの内容をパソコン内蔵ディスクにコピーしてフリーソフトウェアで検索することができた (わたしはそれをつづけている) のだが、そのような製品もほとんどなくなってしまった (ので、わたしのやりかたは手本にならない)。

ちかごろおおいのは、いわゆる「アプリ」としての辞書だ。iOS あるいは MacOS むけには、物書堂 (ものかきどう) という会社がいろいろな辞書のアプリをだしていて、評判がよいようだ。わたしがつかった経験があるのは、ロゴヴィスタ (Logovista) という会社のMS Windows むけの製品だ。ここは AndroidiOSMacOS むけの製品もだしている。ほかの会社もあるかもしれない。